2019年8月5日月曜日

ラフティングボート バナナボートの修理

この時期になると、ラフティングボートやバナナボートの修理問い合わせが多くなります。

私は以前(10年以上前)、ラフティングツアーを運営するアウトドアツアーの会社に勤務していました。そこはボート数20艇以上を所有する会社で、そこでラフティングボート修理を担当していました。ボートは古い物もあり1ヵ所修理すれば、また別の個所が、別のボートが、破ける、接着が剥がれるなど1日1艇~3艇ほどラフティングツアー終了後に毎日のように修理を行っていた時期がありました。あらゆる個所の修理を行い、修理経験は数百回はあると思われます。

またこれまでに数社のボートメーカーで修理方法も学びましたが、1からボートを作れないとボート修理は無理だと感じたのと、メーカーでボートを作っている、おばさん(20年以上の経験者)に、「20年以上も毎日のように行っている、わずかな時間で習得出来る技術では無い!」と叱られたことも有りましたが、本当におっしゃる通りです。

ボートを大事に扱う、保管する。それですね。
ラフティングツアー、バナナボート使用している方、ツアーを行っている会社のスタッフの方で破損すること、破けることを前提に扱っている方がどれ位いるだろうか。破れないと、ちょっととしたぐらいでは壊れないと思っているのでは。

扱いや保管方法で使用する寿命は間違いなく長くなります。

以下は、使用や保管の注意事項です。


  • 使用前には、毎回必ずラフトボート全体の確認。
  • アウターチューブライン、スォートチューブラインの遊びが無いようにする。
  • ボート搬送時は足元に十分注意する。
  • 独りでの搬送を避け重さの負担を軽減するために複数の方で搬送する。
  • ボートを引きずらない。(ボート生地が破損します)
  • ボートを高い位置から投げ落とさない。(ボート生地が破損します)
  • 各Dリングは接着剤で取付けの為に大きな力で引くと接着面が剥がれます、力を分散するなど負荷が掛からないように工夫する。
  • 岩等に故意に当てない。(ボート生地が破損します)
  • 炎天下に放置しない。(接着面は熱に弱い為、接着力が弱まり剥がれます)
  • 空気注入口のバルブより空気漏れが無いか確認。
  • ラフトボート床面にある空気圧調節弁が機能するか確認。
  • 空気調節弁が働かない場合は破損している可能性。
  • 空気入れ過ぎ、炎天下では空気調節弁からのリリースが追いつかない事が有る。
  • 天候、気温、水温によって空気圧の調整を行う。
  • 汚れた場合は水を掛け砂等の汚れを取り除く。
  • 河川、海での使用時には気象状況、水理現象、流れ等充分な知識が必要。
  • ラフトボートの保管は紫外線が当たらない場所で保管。
  • 膨らませた状態で保管をする。
  • 丸めて(ロールアップ)保管する場合には、軽くまるめ、立てない。



ラフトボートの修理(穴あき)
ボートを修理してくれる業者は国内には殆どありません、対応してもらえてもそれなりの修理費用は発生します。自身で修理する技術を身に着けることです。

このページにたどり着いているようであればすでに手遅れで、ボートが破損し修理方法を検索し、このページにたどり着いたのでしょう。
以下は修理の一例です。
要は接着剤の接着力と、ちょっと器用であれば単純な穴あき修理は出来ます。
1㎝程の穴が開いた場合は、中から生地を張り付けることをお勧めします。
下記はネズミに悪戯されたそうで、複数個所が画像の様な穴が開いている珍しいケースではあります。
※後に丸い生地が残っていたことに気付き、後では丸くマスキングテープを貼り変えています。
 ※画像は最初の画像の場所と異なります。やすりを掛けている写真を取り忘れたので・・・
やすりで凹凸やコーティングを削ります。削り面をきれいに拭きます。
この日は湿度60%前後でした。
右側の四角の黒い生地は内側から張り付ける生地です。
薄く接着剤を1度塗り7分乾燥させました、ボートの内側からも薄く塗ります。その後2度目薄く塗っています。さらに7分乾燥させました。

穴が小さい場合、通常は下記写真の生地と生地の張り合わせ(縦に貼っている生地)を外し内側から接着剤を塗りますが、それを行う勇気が無いですね。それが出来るぐらいならこのレベルの修理は簡単に行えると思います。
生地にはあらかじめ十字に印を付けています。
穴から内側から貼る生地を入れ、目印の十字を合わせます。
少しドライヤーで熱を与えながらローラーなどで押しながら貼り付けます
丸生地が残っていたのでマスキングテープを丸く貼り変えています。
外側にも薄く接着剤を2回、乾燥時間を各7分乾燥させています。
丸生地にも十字で印を入れ貼り合わせてます。
ドライヤーとローラーで押し、貼り付けます。
約24時間乾燥。
石鹸水で空気漏れが無いかを確認します。

全部で大なり小なり6か所ほど悪戯されており、それなりに大きな穴も有りましたが、使用できる状態に修復しています。黒生地の修理箇所は全て内側からも生地を貼り付けています。





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