2022年1月31日月曜日

ロープについて6

 ロープについて5で、かさ張りが少ない、やや柔軟なロープが資機材の搬送を減らすという理由から、私の好みだと紹介しました。

状況にもよりますがメイン、ビレイ等となるロープは11㎜ロープまたは12.5㎜(※12.5㎜は何年も使用していませんが)を使用して、フレームの固定やバックタイ等の支点については低伸長率の8㎜の細い(さらにはまだ細くとも)ロープで良いかと考えます。かさ張りが少なく重量も少ない。

下の画像は、8㎜ 100mと11㎜ 65mです。

8㎜ キャニオンプロ100m オレンジ

伸び率 @ 300 lbf = 1.3%、@ 600 lbf  = 2.5%、@ 1000 lbf = 3.8%

強度 22.2kN

重さ 1m当たり 40g (100m 4㎏)

11㎜ PRO-G スタティック65m グリーン

伸び率 @ 300 lbf = 2.6%、@ 600 lbf = 4.7%、@ 1000 lbf = 6.8%

重さ 1m当たり 93g (100m 9.3kg)


10年程前アメリカでの講習参加時に、自身の荷物整理に時間が掛かり、皆で手分けした機材の残り物が担架しかなく、自身の荷物と担架を背中に担ぎ山を登っていくのですが、もともと標高が高いところで少し酸素が薄いことも影響してか、1歩足を出すことが苦痛で、今となっても、その日の講習項目より「もう次の1歩が出せない、出せない」と思いながら歩いた記憶の方が残っている。

※ 8㎜ キャニオンプロの難点としては高価で…(´;ω;`)ウゥゥ

2022年1月26日水曜日

ロープについて5

 ロープの柔軟性は素材や構造(外皮、内芯の編み込み方)、ロープ経によって変わり、またロープは荷重(張力)によって多少変化するので、その使い勝手がどのように影響するかは使用する資機材や状況などに変わります。

ロープの柔軟性や伸長率は長い距離の降下引上げの状況では影響が出てくるかと思いますが、個人的にはやや柔軟性のあるロープを好んでいます。当社で販売している下記ロープバックにやや硬めのロープ径12.5㎜100mはかさばりが出来てロープバックにロープ全てが収納出来ません。

バック内のスペースの有効利用は手荷物(装備)一つを減らす影響は大きいかと思います。こんな理由もあって柔軟性のあるロープを好んでいます。

2022年1月21日金曜日

ロープについて4

 内芯の構造について見比べてみました。結果的には見ても何も分からなったのですが・・

同じ11㎜経のロープでも素材、外皮や内芯の構造、メーカーによって違いがあり使ってみないと自分に適したロープは分からないと感じます。また使用する装備との相性もあるでしょう。

画像の上から

BW社 11㎜ PRO-G (強度42kN) 外皮:ポリエステル 内芯:ナイロン

外皮容量 42%

@ 300 lbf = 2.6% @ 600 lbf = 4.7% @ 1000 lbf = 6.8%

BW社 11㎜ SAFE LINE (強度34.4kN) 外皮:ポリエステル 内芯:ナイロン

外皮容量 48%

@ 300 lbf = 2.2% @ 600 lbf = 4.7% @ 1000 lbf = 7.2%

③某A社 11㎜ 外皮:ナイロン 内芯:ナイロン

④某B社 11㎜ 外皮:ポリエステル 内芯:ポリエステル

個人的な使用感はBW社と比べて某A社11㎜は柔軟ですが伸び率がやや高い。某B社11㎜伸び率は低いが柔軟性は欠け硬いかなと感じます。


画像上から上記と同じロープです。

内芯のストランド(より線・束)と言うのでしょうか、本数にも違いがありました。



柔軟性については指先でロープを摘まめば分かりやいかと思います。





2022年1月10日月曜日

ロープについて3

 ロープの外皮の編み込み数によって凹凸の差が出ることをロープについて2で紹介しました。

グリーンはグリーンは11㎜ PRO-G (強度42kN) 外皮:ポリエステル 内芯:ナイロン

外皮容量 42%

@ 300 lbf = 2.6%
@ 600 lbf = 4.7%
@ 1000 lbf = 6.8%


オレンジは11㎜ SAFE LINE (強度34.4kN) 外皮:ポリエステル 内芯:ナイロン

外皮容量 48%

@ 300 lbf = 2.2%
@ 600 lbf = 4.7%
@ 1000 lbf = 7.2%


画像では分かりにくいですが、ややグリーンのロープ(PRO-G (強度42kN))の方が太い感じがします。強度を高めるために内芯の容量を増やしているかと思います。同じメーカーで同じロープ経(11㎜)表記ですが、太さに違いがあるのは不思議です。

外皮の容量を高めて干渉物との摩擦の耐久性を高めることに重点を置くか、内芯の容量を高めて破断強度を高めるか、これらはメーカーの考え方によっても変わります。

両方のロープの柔軟性は殆ど変わりは無いと感じます。両ロープとも扱いやすいロープです。

また使用者も同じく何に重点を置くかで選択が変わります。ロープ経?伸長率?強度?外皮の耐久性?価格?扱いやすさ?認証?状況によっては浮力や耐熱性等。

2022年1月6日木曜日

ロープについて2

 下記の画像はブルーウォーターロープス社の2種類の11㎜ロープです。

グリーンはグリーンは11㎜ PRO-G (強度42kN) 外皮:ポリエステル 内芯:ナイロン

オレンジは11㎜ SAFE LINE (強度34.4kN) 外皮:ポリエステル 内芯:ナイロン


外皮の編み込み数の違いについて、オレンジのロープはラインの束が大きく粗くまとまり、グリーンのロープのライン(繊維)は細く細かく編み込まれています。


オレンジのロープは束が大きく粗くまとまっているので凹凸が大きく、グリーンのラインに比べて摩擦が大きくなるために、降下時、下降器との摩擦が大きく人によっては操作がしやすく編み込み数の少ないものを選ばれる方もいるそうです。と言うことは、その逆を好まれる方もいらっしゃいます。

外皮の編み込み数、強度、素材だけでのロープの選択は情報量が少ないかと思います。

次回 ロープについて3をお楽しみに。


2022年1月1日土曜日

2022年も宜しくお願いします。

 昨年、11月より講習活動が開催出来ず多くの参加希望の方にご迷惑をお掛けしました。

50年の人生で身体の管理が出来ていなかった前に、自身の身体の情報不足でした。

ロープシステムに例えると、荷重が掛かった状況で何年間(ひょっとしたら20年以上)も常に弱い箇所に負担を掛けていた状況で、たまに軽くメンテナンスを入れ、だましだましにし過ごし、ついに崩壊した感じです。崩壊したところ以外はなんの問題もなく、現在は崩壊した箇所を補強し、システムをゼロからより頑丈なシステムに作り直している所です。

新たに作り直しても強度の有るところと無いところで、こうもバランスが取ることが難しいのかと自身の身体で痛感していますが、毎日の人間の超回復にも驚いてます。順調に回復しています。

冬の間は強度のあるシステム作りに時間を起き、暖かくなる頃には、講習活動の再開を予定しています。補強し作り直すことで、頑丈なシステムを作り今後10年以上は活動出来そうで意欲に湧いています。

冬の間は身体作りと更に知識を高める準備期間とします。2022年も宜しくお願いします。